ファンダメンタルズレベルでは、米国の債務上限交渉と米国のデフォルトの可能性に市場の懸念が集中する傾向があるため、全体として、米ドルは他の通貨に対して今のところ安定しているように見える。昨日のバイデン米大統領とマッカーシー下院議長(共和党)の交渉は、楽観的な内容で終わったものの、合意には至らず、市場の不安を長引かせる傾向があることに留意する必要がある。
大西洋の向こうでは、ECBの金融引き締めが経済活動の拡大に悪影響を及ぼす可能性に対する市場の懸念が広がっているため、ユーロ投資家は5月のPMI速報値の発表に注目する見込みだ。 特に、ユーロ圏の「問題児」であるドイツの製造業は、ユーロ圏の経済にとって重要で大規模な部門でありながら、昨年7月以降、経済活動が何らかの形で継続的に縮小しているため、注目される見込みだ。
世界では、明日のアジア時間でニュージーランドのニュージーランド準備銀行の金利決定が発表され、25bpの利上げに踏み切ることがわずかに予想されている。現在、ニュージーランドドルのOISでは、25bpの利上げを50.90%とし、その他は50bpの利上げの可能性を示唆している。仮に25ベーシスの利上げにとどまった場合、ニュージーランドドル投資家の失望感からニュージーランドドルが下落するだろう。しかし、同時に発表される声明文にも大きな関心が寄せられ、タカ派的な内容であれば、ニュージーランドドルが上昇するだろう。
その他の注目材料
本日の欧州市場では、フランス、ドイツ、ユーロ圏全体、そして英国の5月のPMI速報値が発表される予定だ。ECBのルイスデギンドス、フランソワビレロワドガロー、アンドレアエンリアのスピーチが予定されていることに注意したい。米国では、カナダの4月のPPI、米国では5月のS&P PMI速報値、4月の新築住宅販売件数、5月のリッチモンド連銀総合指数の発表が予定されている一方、原油投資家はAPI原油在庫週報の発表に関心が集まるかもしれない。ローガンダラス連銀総裁とナゲルECB政策委員のスピーチが予定されていることに留意したい。明日のアジア時間では、ニュージーランドの第1四半期小売売上高の伸び率が発表されるが、ニュージーランド準備銀行の金利決定には影が薄いと予想される。
EUR/USD 4時間チャート

Support: 1.0695 (S1), 1.0525 (S2), 1.0370 (S3)
Resistance: 1.0855 (R1), 1.1000 (R2), 1.1140 (R3)
NZD/USD H4 Chart

Support: 0.6205 (S1), 0.6060 (S2), 0.5950 (S3)
Resistance: 0.6350 (R1), 0.6465 (R2), 0.6565 (R3)



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