複雑なシグナルが市場を動かす

米週間新規失業保険申請件数が減少し、米雇用市場の引き締まりを示唆する一方、7月のフィリー連銀景況指数は改善せず、米経済の生産面への懸念が維持された。ナスダックはテスラとネットフリックスの決算発表が主因で下落した。今日は、アメリカンエキスプレス（#AXP）の決算発表に注目したい。来週は、マイクロソフト（#MSFT）、イーベイ（#EBAY）、メタプラットフォームズ（#META）、アルファベット（#GOOG）、インテルコーポレーション（#INTC）、アマゾン（#AMZ）などの決算発表があり、ハイテクセクターへのシフトが予想される。

米国の北側では、カナダの5月小売売上高が発表されるため、投資家は注視している。しかし、昨日の原油価格の小幅な上昇が続けば、カナダドルに強気傾向が見られるだろう。労働党の支持率が低下しているようだが、政治的には重要な問題であるにもかかわらず、ポンド投資家はこの問題をスルーしている。ポンド投資家は本日発表される英国の6月小売売上高に注目しており、減速の可能性があればポンド安になるだろう。

トルコでは中央銀行が250bpの利上げを実施したが、市場予想を下回った。トルコ中央銀行は、政権交代後すでに1週間物レポ金利を大幅に引き上げているにもかかわらず、さらなる金融引き締めを行う決断力に欠けているようだ。世界全体では、6月の日本経済におけるインフレ圧力の冷え込みが足踏みしていることに注目しているが、これは一時的なものであり、来週の会合を前に日銀がハト派的なスタンスを変えるとは考えていない。