市場は米中間選挙に向け身構える

昨日、10月の米雇用統計の発表を受けて、月曜日は米ドルが対外的に弱含みで推移し、米国株式市場は続伸している。中間選挙が米国政府の財政計画に影響を与えるため、市場の意見も変化すること、中間選挙は通常、現職の大統領に対する抗議票、現実逃避票と考えられていることに留意する必要がある。当面は民主党が上院と下院の両院を支配するが、共和党が上院を支配するだろう。このような場合、民主党の大統領と共和党の拒否権を持つ米国議会という二元的な政権になるだろう。

経済と小売価格の高騰、中絶の権利、移民、バイデン大統領のこれまでの任期と今後、さらに教育、気候、治安、銃規制などが話題になっているようだ。共和党が議会を支配することになれば、バイデン氏の大規模な財政計画にブレーキがかかり、米国経済が景気下落に陥る可能性が高まるかもしれない。英国では、ポンドが米ドル、ユーロ、日本円、スイスフランに対して上昇し、全体的に強含みとなったが、市場の関心は依然として英国経済が深刻な景気下落に陥るという見通しにあるようだ。来週にはハント財務相が秋の財務報告を行い、歳出削減と大幅な増税を発表する予定である。

来週にはハント財務相が秋の財務報告を行い、歳出削減と大幅な増税を発表する予定である。 BoEのヒューピル主席エコノミストは、厳しい財政予算は中央銀行の予想以上に英国経済に重くのしかかり、BOEの政策意図を変更するだろうと述べた。さらに、英国の住宅価格が2カ月連続で縮小し、2021年6月以来最も速いペースで縮小したことは、懸念をさらに強める英国住宅市場の需要不足の別の可能な兆候であることに注意したい。

その他の注目材料

今日の欧州時間では、ユーロ圏の9月小売売上高が発表される。ドイツ連邦銀行のナーゲル会長、スイスのスイス国立銀行のトーマスヨルダン議長、ECBのエンリア議長、BOEのピルチーフエコノミストが声明を出す予定であることに注意したい。米国時間後半には、米国のAPI週間原油在庫統計の発表があり、その少し後にニュージーランドの10月電子カード売上高が発表されることに注意したい。明日のアジア時間では、日本の9月経常収支と中国の10月インフレ指標の発表に注意する。