両建て取引をご存知でしょうか。
急な為替変動に対応できるなどのメリットもある両建て取引ですが、海外FX業者によっては両建て取引を禁止しているケースもあります。
一体、どのような理由で禁止されているのか気になる方も多いでしょう。
そこで、本記事では、海外FXにおける両建て取引のメリット・デメリットや禁止されている理由についてご紹介します。
是非とも最後まで読んでいただき、ご自身の海外FX取引に役立ててみてください。
そもそも両建てとは?
両建てとは、同じ通貨ペアにおいて、「買い」ポジションと「売り」ポジションを同時に保有する取引手法のことです。
「買い」と「売り」の両方のポジションを同じタイミングで保有するため、相場がどちらに動いたとしても利益と損失が相殺される仕組みになっています。
一見すると利益の出ない取引に思えるでしょう。しかし、状況によっては損失が発生するリスクを抑えつつ、利益を狙える手法といえるのです。
両建てを行うメリット・デメリット
海外FX取引において両建てを行うメリット・デメリットにはどういったものがあるのでしょうか。
ここでは、両建て取引を行うメリット・デメリットについてご紹介しますので、それぞれ見ていきましょう。
メリット1:急な為替変動に対応可能
両建てのメリットとして、急な為替変動に対応できる点があげられます。
為替相場はリアルタイムに変動しています。
そのため、予想もしない急変動を見せるケースも少なくありません。
こうした場合に、両建てでポジションを保有しておけば、一方の損失を利益でカバー可能です。
経済指標の発表時や要人の発言によって大きな為替相場の変動が起こりやすい際には、両建てによるリスクヘッジは有効な手段となり得るでしょう。
メリット2:証拠金を抑えられる
両建てのメリットとして、証拠金を抑えられる点も挙げられます。
「買い」と「売り」の両方のポジションを同時保有となるため、両方に証拠金が必要と考える方も多いでしょう。
しかしながら、両建ての場合、片方のみの証拠金だけで済むのが一般的なのです。
本来取引に必要な資金の半分で取引可能となると資金効率が向上するため、効率的な運用が期待できます。この点は両建て取引の大きなメリットといえるでしょう。
メリット3:スワップポイントによる利益が期待できる
スワップポイントによる利益が期待できる点も両建てのメリットといえます。
スワップポイントとは、2国間の金利差のこと。
金利の低い通貨を売却し、金利の高い通貨を購入することで、スワップポイントが獲得できるのです。
これによって安定的にスワップポイントが獲得できる点は両建てのメリットといえるでしょう。
デメリット1:ロスカットされやすい
ロスカットされやすい点は、両建てのデメリットといえます。
証拠金維持率が基準を下回った場合には、現在保有しているポジションが強制的に決済されてしまいます。
両建ての場合、片方の証拠金だけで済むというメリットがありますが、FX業者の中には2倍の証拠金を必要とするケースも考えられるでしょう。
2倍の証拠金が必要となると少しの為替変動でもロスカットが行われる可能性が高くなってしまいます。
このようにロスカットされやすい点はデメリットとして考えられるため、押さえておきましょう。
デメリット2:スプレッドが必要
スプレッドが必要になる点も両建て取引のデメリットといえるでしょう。
スプレッドとは、注文を行う際に必要となる手数料のこと。
両建てを行う場合。「買い」と「売り」の両方を注文するため、注文時に「買い」と「売り」の両方のスプレッドが必要となるのです。
FX業者によってスプレッドの大きさは異なるため、両建て取引を行う場合にはスプレッドに注意しておくと良いでしょう。
デメリット3:スワップポイントによる損失リスクも
スワップポイントによる損失リスクがある点は両建て取引のデメリットといえるでしょう。
スワップポイントを利用して利益を得られるメリットがある一方で、損失が発生するリスクも考えられるものです。
「買い」と「売り」で両方ともスワップポイントが得られるとは限りません。
「買い」ポジションでスワップポイントが得られたとしても、「売り」ポジションでスワップポイントを支払うケースも考えられます。
その場合、スワップポイントによる利益は見込めず、損失が発生してしまう可能性も十分考えられるでしょう。
このようにスワップポイントによる損失リスクがある点はデメリットとして理解しておきましょう。

海外FXでの両建てには注意が必要!
海外FXにおける両建て取引のメリット・デメリットについてご紹介しました。
ここでは、海外FXにおいて両建て取引を行う場合には注意が必要となる理由や海外FX業者の両建て取引の可否についてご紹介します。
以下の通りご紹介しますので、それぞれ見ていきましょう。
・業者によっては両建て取引が禁止されているケースも多い
・海外FX業者の両建て取引の可否
・他社の口座間での両建ては禁止される場合が多い
・禁止行為が発覚すれば口座凍結の可能性もある
業者によっては両建て取引が禁止されているケースも多い
海外FX業者によっては、両建て取引を禁止しているケースが多いです。
両建て取引は、「買い」と「売り」の両方のポジションを保有する取引方法であり、相場が不安定な場合には有効な手段といえるでしょう。
しかし、ゼロカットシステムを採用している海外FXの場合、ゼロカットの仕組みを悪用して利益だけを確保可能です。
例えば、「買い」と「売り」の両方にポジションを保有している状態で、相場が大きく変動してロスカットが発生し、「売り」ポジションにて大きく損失が発生したとしましょう。
ロスカットによって証拠金以上の損失が発生した場合、国内FXであれば、新たに資金を差し入れる「追証」が発生します。
一方、海外FXでは、ゼロカットシステムによって口座残高以上の損失が発生してもFX業者が損失を負担してくれます。このシステムによって「売り」ポジションの損失を押さえつつ、「買い」ポジションによる利益だけが得られるのです。
この仕組みを悪用してしまえば、損失だけをFX業者に押しつけて、自分は利益だけを得られることになります。そのため、海外FX業者では両建て取引を禁止にしているケースが多いのです。
海外FX業者の両建て取引の可否
海外FX業者によって両建て取引の可否は異なります。
ここでは、主要な海外FX業者の両建て取引の可否について見てみましょう。
海外FX業者名 | 同一口座間 | 複数口座間 | 他社口座間 |
XM | 可能 | 不可 | 不可 |
TitanFX | 可能 | 可能 ※ゼロカット目的は禁止 | 可能 ※ゼロカット目的は禁止 |
AXIORY | 可能 | 可能 ※ゼロカット目的は禁止 | 可能 ※ゼロカット目的は禁止 |
GemForex | 可能 | 不可 | 不可 |
IronFXとは | 可能 DD方式/不可 | 可能 NDD方式/不可 | 不可 |
海外FX業者においては、同一口座間での両建ては可能としているケースが多いですが、複数口座間や他社口座間では禁止となっているケースが多いです。
他社口座間での両建てを可能とする業者もありますが、ゼロカット目的の場合には禁止もしくは認められない可能性が考えられるでしょう。
他社の口座間での両建ては禁止される場合が多い
他社口座間での両建ては禁止としているケースが多いです。
上記の表からもTitanFX、AXIORY以外は他社口座間での両建て取引は禁止とされています。
また、どちらもゼロカット目的での両建ては禁止もしくは注意が必要とされており、ゼロカット目的の両建てを行った場合、ペナルティが課せられる可能性が高いです。
したがって、両建て取引を検討するのであれば、同一口座間での両建てを行うように注意しておきましょう。
禁止行為が発覚すれば口座凍結の可能性もある
禁止行為が発覚すれば、口座凍結といったペナルティが課せられる可能性がある点は注意しておきましょう。
他社口座間だから分からないだろうと思って両建て取引を行い、禁止行為がばれてしまって口座が凍結されたというケースも少なくありません。
海外FX業者は、さまざまな方法によって両建て取引などの禁止行為を行っていないかを調査可能です。したがって、ばれないように禁止行為を行うのではなく、海外FX業者のルールに則った取引を行うのが重要といえるでしょう。
海外FX 両建てのまとめ
本記事では、海外FXにおける両建て取引についてご紹介してきました。
海外FX業者の多くがゼロカットシステムを採用しています。したがって、このゼロカットを悪用すれば、利益だけを得られるため、両建て取引は禁止としている海外FX業者が多いです。
禁止行為を行ってしまえば、最悪の場合は口座凍結といったペナルティが課せられる可能性が考えられます。
こうしたペナルティを課せられないよう、本記事で紹介した内容を参考にルールに則った取引を行っていきましょう。
IronFXでは、STP/ECN口座であれば複数口座間での両建て取引も可能となっています。
まずは、IronFXで口座を開設してみてはいかがでしょう。
