フィボナッチリトレースメントは、インジケーターと組み合わせて使われる指標の一つです。
今回はそのフィボナッチリトレースメントについて使い方なども含めながら解説していきます。
フィボナッチリトレースメントとは?
フィボナッチリトレースメントは、投資やトレーディングにおいて、トレンドの変化を予測するために使用される技術のひとつです。
この手法は、フィボナッチ数列を使用して、購入や売却のタイミングを決定することができます。
フィボナッチ数列は、数学において有名な数列のひとつで、前の2つの数字を足した数が次の数になるという性質を持っています。
例えば、1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…といった具合になります。
この数列は、市場のトレンドを予測するために使用されます。
フィボナッチリトレースメントは、チャート上に様々なレベルのラインを引き、それらのラインを使用して、トレンドの変化を予測します。
購入シグナルは、買い値幅が狭くなっている時に発生し、売りシグナルは、売り値幅が狭くなっている時に発生します。
フィボナッチリトレースメントは、トレンドの変化を予測するために非常に有効な手法であり、投資やトレーディングにおいて活用することができます。
ただし、この手法は単独では使用するべきではなく、他の指標と組見合わせて使うのが効果的です。
フィボナッチリトレースメントはどうやって使う?
フィボナッチリトレースメントは、テクニカル分析において、足元の値動きからトレンドの変化を検出するためのツールです。このインディケーターは、Fibonacci数列に基づいて、過去のトレンドの変化を予測することができます。
フィボナッチリトレースメントの計算方法は、過去のトレンドの最高値と最安値を使用して、Fibonacciの比率に基づいて、次のレベルの価格変化を予測することです。
具体的な計算式は以下の通りです。
- 上側リトレースメント = 高値 – (高値 – 安値) x Fibonacci比率
- 下側リトレースメント = 安値 + (高値 – 安値) x Fibonacci比率
ただし、Fibonacci比率は0.236、0.382、0.500、0.618、0.764の5つが一般的に使用されます。
例えば、過去のトレンドの最高値が100ドルで最安値が80ドルだった場合、上側リトレースメントは100 – (100 – 80) x 0.618 = 90ドル、下側リトレースメントは80 + (100 – 80) x 0.618 = 90ドルになります。
このように、フィボナッチリトレースメントを使用することで、過去のトレンドの変化を予測し、今後の価格変動に対応することができます。
フィボナッチリトレースメントを使うときの具体例
フィボナッチリトレースメントを使うときの数値を用いた具体例を説明します。
例えば、株式のトレードをする場合、株価が上昇している時に、購入価格よりも高い価格で株を売ることで利益を上げることができます。
みなさんの想像するシンプルな手法です。
例えば、1株あたり1000円で株を買った場合、その株価が1200円に上昇した場合、1200円でその株を売ることで、200円の利益を得ることができます。
もう一つの例として、外国為替のトレードをする場合、ドル/円の為替レートが上昇した場合、円をドルに換えることで利益を上げることができます。
例えば、1ドルが110円の時に1000ドル購入し、1ドルが120円の時に売ることで1000ドル*(120円-110円) =10000円の利益を得ることができます。
ただし、フィボナッチリトレースメントは市場の変動に対して高いリスクを伴いますので、トレードには十分な知識と経験が必要です。
フィボナッチリトレースメントを使わない方が良い場面
- トレンドの強い市場の場合
- フィボナッチリトレースメントは、市場が安定しているときに最も有効です。トレンドの強い市場では、リトレースメントが有効に機能しない可能性が高いため、使用する必要はありません。
- ノイズが多い市場の場合
- フィボナッチリトレースメントは、市場のばらつきが少ないときに最も有効です。ノイズが多い市場では、有効なサインを見つけることが困難なため、使用する必要はありません。
- データが少ない市場の場合
- フィボナッチリトレースメントは、十分なデータがある場合に最も有効です。データが少ない市場では、適切なサインを見つけることが困難なため、使用する必要はありません。
- 仮想通貨のように常に変化する市場の場合
- フィボナッチリトレースメントは、市場が安定しているときに最も有効です。常に変化する市場では、リトレースメントが有効に機能しない可能性が高いため、使用する必要はありません。
トレンドの強い市場の場合
トレンドの強い市場の場合、フィボナッチリトレースメントは使用することが難しいかもしれません。
フィボナッチリトレースメントは、トレンドを決定するために使用されることは少ないです。
それは、トレンドが強い場合には、トレンドが続くかどうかを判断するために使用されることが少ないためです。
そのため、トレンドが強い場合には、他の指標を使用して、トレンドを決定することが望ましいでしょう。
ノイズが多い市場の場合
ノイズが多い市場では、トレンドの把握が難しくなります。
そのため、フィボナッチリトレースメントを使用することで、本来の意図したトレンドの把握ができなくなる可能性が高いです。
そのため、ノイズが多い市場では、フィボナッチリトレースメントは使用しない方が良いと言えます。
それでも使用する場合は、より高い確度でトレンドを把握するために、他の指標と組み合わせることをおすすめします。
データが少ない市場の場合
データが少ない市場では、フィボナッチリトレースメントを使うことは避けるべきです。
フィボナッチリトレースメントは、市場のデータをもとに、価格の上昇傾向を予測し、それに基づいてトレードを行う戦略です。
データが少ない場合、上昇傾向を正確に予測することができず、トレードにおいて不利になる可能性が高いです。
データの少ない市場というのは、取引高や売買数が少なく、市場の情報も限られている市場のことを指します。
例えば、新興市場や小規模市場などが挙げられます。
これらの市場は、主要市場に比べてデータが少なく、市場の変動も不安定なため、トレードには警戒が必要です。
仮想通貨のように常に変化する市場の場合
仮想通貨など、常に変化する市場の場合、フィボナッチリトレースメントを使用することはおすすめできないかもしれません。
なぜなら、フィボナッチリトレースメントは、過去のトレンドを分析し、それに基づいて将来の価格の変動を予測するために使用される指標です。
そのため常に変化する市場では、過去のトレンドが将来の価格変動につながらない可能性が高いためです。
これに対して、市場の動きに対して現在の値を分析し、それに基づいて取引をする技術分析手法や、市場の要因に基づいたファンダメンタル分析手法を使用するのが適しているかもしれません。
フィボナッチリトレースメントとは まとめ
フィボナッチリトレースメントは、トレードにおいて、購入した資産の価格が上昇した場合に、購入価格よりも高い価格で販売する戦略です。
これにより、シンプルに利益を上げることができます。
ただし、市場のデータが少ない場合や新興市場などでは、上昇傾向を正確に予測することが困難であるため、使用する際は注意が必要です。またトレードには十分な知識と経験が必要です。
