FOMC会合を待つゴールド市場

ゴールド相場は1月23日終値で2週連続の上昇となり、足元ではプラス圏で推移しています。この後発表される経済データはボラティリティを大幅に高める可能性があるため、ゴールドトレーダーはかなり興奮状態にあると言えそうです。今週のレポートでは、最近の金の値動きの背景にある、可能性のある重要なファンダメンタルズ展開に焦点を当てます。本レポートに掲載されている情報は、ゴールド市場に関する正確な判断を下すために利用することができます。また、最後に掲載されているテクニカル分析は、留意すべき重要な価格水準についてトレーダーを支援するものです

ゴールドの最大の特徴は、経済的なリスクや地政学的な不確実性が高いときに価値が上がる傾向があることです。1月19日、ゴールドの価格は約28ドル上昇し、月間最高値を更新し、非常に重要な一日となりました。私たちの意見では、ロシアが10万人の軍隊を構築しているウクライナの国境での現在の緊張が、トレーダーを緊張させ、ゴールド市場を上昇させているようです。米国と欧州がすでに関与し、イベントが行われる準備をしているという事実は、世界の舞台が現在この問題に注目しており、いかなる軍事的緊張によっても影響を受ける可能性があることを示す証拠となり得ます。ゴールド価格は急騰しただけでなく、上昇し続けており、注文を変更する前にもっと情報を必要とする可能性があることを示しています。今日でも、多くのテレビメディアの見出しは、この問題が非常に注目されていることを示しています。この緊張によってゴールド価格は上昇する可能性があるため、ゴールドトレーダーはこの話題に目を光らせておく必要があります。

また、これとは別に、オミクロンの感染拡大が続いており、世界中の経済に負担をかけています。1月に確認された感染率の上昇によって、現在、より多くの労働者が仕事を休んでいるため、それによって生産と商品の流通が滞っている可能性があります。米国の1月のマークイットPMI（製造業・サービス業）速報値は、数日前に指摘したように低下しており、おそらく前述の通り、短期的には供給に影響を与える可能性があります。しかし、この点については、消費者の需要が堅調であるため、物価が押し上げられるというポジティブな見方もあるようです。この場合、金の最近の上昇も、価格上昇に対抗するヘッジ手段としての性質が要因となった可能性があります。

1月26日(水)は、FOMCが主役の週です。今回の会合では、FOMC声明文と金利決定が同時に発表され、その30分後にジェローム・パウエル議長の発言を含むFOMCの記者会見が行われる予定です。特に、不快なほど高いインフレ率に関するコメントは、アナリストやトレーダーの関心を引くと予想されます。インフレ率が手に負えなくなっているように見えることから、この問題は現在FOMCの優先事項となっており、FRBは、インフレ率を下げるために今年1年を通して一貫した行動を取ることを強いられる可能性さえあります。これは、市場だけでなく、金融政策の変化に敏感な金にとってもジェットコースターのような展開になる可能性があります。全体として、水曜日に行われるイベントは、FOMCが中央銀行の2022年の最初の利上げ（3月に行われると予測）に対する市場の期待を確認することができるため、大いに期待されています。金相場はイベント期間中、一時的に大きく変動することがあるため、注意が必要です。最後に、予期せぬ利上げという奇想天外なシナリオでは、金市場のボラティリティが急激に上昇する可能性があり、トレーダーは自分の口座を保護するために調整を行うよう注意する必要があります。

翌日以降、経済指標の発表が相次ぐため、金トレーダーにとって好機となる可能性があります。前述の通り、26日には1月のFOMCが注目され、27日には第4四半期の米GDP成長率とコアPCE伸び率、そして週の初回失業保険申請件数が発表されます。28日は12月のコアPCE価格指数と1月のミシガン大学消費者信頼感指数確定値が発表されます。最後に、2月1日には、非常に重要な1月のISM製造業PMIの数字が発表されます。

テクニカル分析

XAU/USD H4

現在、金は12月15日以降に始まった上昇トレンドラインの中にあります。このチャートでは、上昇トレンドは黄色に色づけられた上昇線で強調されています。現時点では（R1）1845の抵抗線付近で安定した値動きが続いており、このレベルは1月の高値であることに変わりはありません。このまま上昇トレンドが続くようであれば、11月の高値水準である（R2）1870が買い手のターゲットとなる可能性があります。上値抵抗線は(R3)1900ラインであり、前回6月以来突破されていないため、強気派にとって大きなチャレンジとなり、買い増し戦略のシナリオに利用される可能性があります。弱気派が優勢になった場合は、前週と同様、(S1)1810のサポートレベルが最初に使われる可能性があります。下値では、12月中旬から1月7日まで何度も試された(S2)1785ラインが注目されます。最後に、弱気筋が広範囲に行動して支配的となった場合には、12月に支持線として使われた（S3）1765が使われる可能性があります。RSI指標は4時間足チャートで50付近で推移しており、これはトレーダーが次の日に発表されるイベントを待つ姿勢である可能性を示していると考えられます。

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