「フィボナッチエクスパンションの使い方がわからない」
「フィボナッチエクスパンションでの利益の出し方を知りたい」
と考えていませんか?
フィボナッチエクスパンションは、フィボナッチの手法のなかでも人気の高い分析手法です。しかし、どのような使い方をすればよいのか、フィボナッチリトレースメントとの違いについてわからない人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
・フィボナッチエクスパンションの特徴や使い方
・フィボナッチリトレースメントとの違い
・MT4への設定方法
記事の後半では、トレードに活用する際に抑えておきたい点についても紹介します。特にトレンド相場で多くの利益を得たいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
フィボナッチエクスパンションとは?

フィボナッチエクスパンションとは、トレンドがどこまで続くか予測できるテクニカル指標のことです。
したがって、押し目買いや戻り売り後の利確の判断に使えます。加えて、ポジション保有前に逆張りでのエントリーとして使うことも可能です。
フィボナッチエクスパンションで使われるフィボナッチの計算方法
フィボナッチエクスパンションでは、1、1,2,3,5、8、13、21、34、55、89、144・・・といったフィボナッチ数列をもとにしたフィボナッチ比率が使われていています。
フィボナッチ数列とは、前の2つの数を加えると次の数になることです。
例えば、最初の1と1を足すと2になる、2つ目の1と3つ目の2を足すと3になるといった具合です。
そして、フィボナッチ数列の応用であるフィボナッチ比率には、数を1つ、2つ、3つ後ろの数で割ると最終的にそれぞれ「0.618」「0.382」「0.236」になるという法則があります。
フィボナッチ比率の法則 | 計算例 |
数を1つ後ろで割った場合 | 34÷55=0.61818 55÷89=0.61797 89÷144=0.61805 |
数を2つ後ろで割った場合 | 21÷55=0.38181 34÷89=0.38202 55÷144=0.38194 |
数を3つ後ろで割った場合 | 13÷55=0.23636 21÷89=0.23595 34÷144=0.23611 |
加えて、それぞれの数を一つ前の数字で割ると、1.618になります。
34÷21=1.61904
55÷34=1.61764
89÷55=1.61818
特に0.618や1.618といった数字は、黄金比率と呼ばれていて、自然界の美しいデザインにも該当すると言われているのです。
そして、相場においても黄金比が使われており、市場の値動きに応用したものを、フィボナッチと呼んでいます。
フィボナッチリトレースメントとの違い
フィボナッチには、さまざまな種類があります。フィボナッチエクスパンションとよく比較されるものの代表例がフィボナッチリトレースメントです。
フィボナッチリトレースメントは、相場の反転する箇所を分析する方法です。
すなわち、上昇トレンド時に一時的に下落した際や下降トレンド時に一時的に上昇した際に、どこで反転してトレンドが再開するのかを分析します。
一方、フィボナッチエクスパンションは、トレンドの継続中にどこまでトレンドが伸びるのかを予測する分析方法です。よって、押し目買いや戻り売りにより相場が反転してからエントリーした後に使う分析方法といえるでしょう。
トレンドを積極的に狙いたい場合は、フィボナッチリトレースメントで押し目買いや戻り売りの判断をした後に、フィボナッチエクスパンションで利確目標を決定します。
つまり、両方の分析方法を覚えておいた方が、利益を得られるチャンスは増えます。
フィボナッチエクスパンションのおすすめの数値
フィボナッチエクスパンションを使いたいけどどの数値を使えば良いのかわからない人もいるでしょう。
基本的には、デフォルトで入っている「61.8%」「100%」「161.8%」の3つで十分ですが、必要に応じて追加しても問題ありません。
追加する際におすすめの数値は、261.
8%です。デフォルト以外に数値を使う場合は、「Expansionプロパティ」から設定ができます。
MT4へのフィボナッチエクスパンションの引き方
ここからは、上昇相場を例にMT4でフィボナッチエクスパンションを引く方法を紹介します。
1,フィボナッチエクスパンションをチャートに挿入する
2,トレンドの始点から直近高値まで引っ張る
3,押し目に合わせる
なお、MT5についても同じ手順で引くことができます。フィボナッチエクスパンションをこれから活用したい人は、ぜひ参考にしてください。
フィボナッチエクスパンションをチャートに挿入する
まずは、MT4を起動して取引口座にログインします。MT4の上部から「挿入」「フィボナッチ」「エクスパンション」の順番でボタンを押してください。

トレンドの始点から直近高値まで引っ張る
続いて、チャート上で、トレンド相場の始まった箇所(上昇相場の場合は安値)をクリックします。
クリックした状態から指を離さずに、そのまま直近の高値まで持っていきます。
押し目に合わせる
次に押し目となる安値にカーソルを合わせましょう。すると、チャート上にフィボナッチ比率が表示されます。

これでいつでもフィボナッチエクスパンションを使った分析ができるようになります。

フィボナッチエクスパンションの使い方
この章では、フィボナッチエクスパンションの使い方について詳しく紹介します。
・トレンド相場を見つける
・ハーモニックパターンにより反転ポイントを探す
・複数のフィボナッチエクスパンションが重なるところで反転を狙う
・フィボナッチリトレースメントの水準と重なる部分を狙う
・フィボナッチエクスパンションの各箇所で分割決済する
フィボナッチエクスパンションをトレードで活用したい人は、ぜひ参考にしてください。
トレンド相場を見つける
フィボナッチエクスパンションは、はっきりとしたトレンドが出現している相場や高値・安値がわかりやすい相場で機能しやすい分析方法です。
よって、最初に上昇トレンドや下降トレンドを見つける必要があります。直近の相場の安値と高値を確認して、上昇トレンドなら高値と安値が切り上がっている相場、下降トレンドなら高値と安値が切り下がっている相場を見つけましょう。
ハーモニックパターンにより反転ポイントを探す
ハーモニックパターンとフィボナッチエクスパンションの組み合わせは、より精度の高い反転ポイントの予測に役立ちます。
ハーモニックパターンは特定のフィボナッチ比率に基づいた価格パターンであり、完成したポイント(PRZ)で反転する可能性が高くなります。
PRZ近辺とフィボナッチエクスパンションの重要な比率が重なる場合、その価格帯はより強力な反転候補となるでしょう。
例えば、AB=CDパターンが完成するポイントが、過去のA点からB点への上昇に対するフィボナッチエクスパンションの161.8%と一致する場合、その価格帯は強い売り圧力がかかっており、反転する可能性があります。
複数のフィボナッチエクスパンションが重なるところで反転を狙う
複数の時間および起点の異なるフィボナッチエクスパンションを引っ張った場合、それぞれのラインがチャート上の特定の価格帯に集中することがあります。
2つ以上のフィボナッチエクスパンションが重なっている価格帯は重要なサポートラインやレジスタンスラインとして機能しやすいです。
例えば、以下は上位足(赤色のライン)と下位足(青色のライン)のエクスパンションを引っ張っているため、それぞれのエクスパンションの起点や終点は異なります。

しかし、2つのエクスパンションがほぼ重なっている価格帯では、強い売り力が働くため、一旦下落する可能性が高くなるのです。
結果的にはどちらも突破したものの、反転下落してから上昇していることが分かります。
フィボナッチリトレースメントの水準と重なる部分を狙う
フィボナッチエクスパンションによって算出された価格水準と、フィボナッチリトレースメントによって算出された価格水準が、チャート上の特定の価格帯で重なることがあります。
フィボナッチエクスパンションとフィボナッチリトレースメントが重なる価格帯は、強力なサポートラインやレジスタンスラインとして機能する可能性が高いため、反転しやすくなります。
例えば、フィボナッチリトレースメント(黄色のライン)の50%と、フィボナッチエクスパンション(オレンジ色のライン)の50%は、ほぼ同じ価格帯に位置しているので、多くのトレーダーが注目する強力な売りのポイントになりやすいです。

さらに、フィボナッチリトレースメント(黄色のライン)の100%と、フィボナッチエクスパンション(オレンジ色のライン)の161.8%も同様に強力な売りのポイントとなることが予想されます。
実際、どちらの水準も2回以上上昇が止まりました。このようにフィボナッチエクステンションとフィボナッチリトレースメントが重なる箇所は、重要なサポートラインやレジスタンスラインとなりやすい価格帯です。
フィボナッチエクスパンションの各箇所で分割決済する
トレード時は、フィボナッチエクスパンションの各比率で決済をします。
重要な点は、一度に全ポジションを決済するのではなく、フィボナッチ比率のラインまで到達するたびに分割決済することです。
トレンドがフィボナッチエクスパンションの数値が161.8%や261.8%まで伸びれば大きく利益を増やせますが、どこまでトレンドが伸びるかまでは予測できません。
決済する箇所を161.8%にしていても、到達する前にトレンドが終了してしまうと、利益は確保できません。
そこで、利益を確保するために以下のような分割決済を行いましょう。
1. 61.8%でポジションの4分の2を決済
2. 100%でポジションの4分の1を決済
3. 161.8%でポジションの4分の1を決済
なお、分割の割合を3等分にしたり他のフィボナッチ比率を追加したりして決済しても問題ありません。
そして、ポジションを分割決済したら、必ず損切りラインをエントリー価格よりも上の水準に移動しておきましょう。
こうすることで、1回目の分割決済をした後にトレンドが終了して残りのポジションが決済されても、損失を被ることはなくなります。

フィボナッチエクスパンションの利用時の注意点
フィボナッチエクスパンションは、トレンドがどこまで伸びるかを予測できる便利な分析ツールです。しかし、利用時には以下の注意が必要です。
・レンジ相場では使いにくい
・フィボナッチエクスパンションのみに頼るのは危険
・マルチタイムフレーム分析も活用する
・フィボナッチエクスパンションを引く際は始点と終点が正確か確認する
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
レンジ相場では使いにくい
フィボナッチエクスパンションは、レンジ相場ではあまり機能しない分析ツールです。
レンジ相場とは、高値と安値が一定の値幅で動くような相場のため、上昇や下落は長く続きません。
エントリーをしても、想定通りに反転しなかったり反転した場合もトレンドが伸びないことが大半です。
トレンド相場よりも大きな利益は期待できないので、トレンド相場のみに絞って取引をしましょう。
フィボナッチエクスパンションのみに頼るのは危険
利確の判断をフィボナッチエクスパンションのみに頼るのは危険です。
なぜなら、フィボナッチエクスパンションだけでは、トレンドの勢いまでは判断ができないため、精度が高くないからです。
フィボナッチエクスパンションのみを使う場合、61.8%、100%、161.8%に到達した場合にしか利確ができません。いつトレンドが終了するかまでは予測できないため、仮に61.8%に到達した際に全部のポジションを決済してしまうと、上昇が続いた場合の利益を得られなくなります。
また、経済指標やイベント、ニュースなど相場に大きな影響を与える事象によって、エントリー後にトレンドが終了するリスクもあるでしょう。
そこで、フィボナッチエクスパンションを使う場合は、MACDや移動平均線、ダウ理論といった他のテクニカル指標と併用しましょう。
例えば、MACDが買われすぎを示唆していない場合や高値および安値の切り上げが続いている場合(ダウ理論の原則の一つ)は、まだ上昇余地があると考えることができます。
したがって、いつトレンドが終了するか予測ができないという精神的な不安を和らげることができるでしょう。
マルチタイムフレーム分析も活用する
フィボナッチエクスパンションを使う際に、エントリーに使う時間足のみを見るだけでは十分ではありません。
より精度の高いエントリーをするためには、マルチタイムフレーム分析も活用しましょう。
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足で相場を分析する手法で、基本的には長期足で相場の流れを見て、短期足でエントリーのタイミングを判断します。
マルチタイムフレーム分析を活用すべき理由は2つあります。
・相場には短期足や長期足に引っ張られるという性質がある
・長期足(4時間足以上)に比べて短期足(1時間足以下)は、だましが多い
エントリーする時間足毎におすすめの長期足は以下の通りです。
エントリーする短期足 | おすすめの長期足 |
1分足、5分足 | 1時間足 |
15分足 | 4時間足 |
1時間足 | 日足 |
4時間足 | 週足 |
日足 | 月足 |
したがって、5分足で右肩上がりに上昇していても、1時間足で見ると下落トレンド中の戻り売りが考えられる場合は下落しやすいので、エントリーには適していません。
短期足が上昇トレンド中に最も利益が伸びやすい相場は、長期足でも上昇トレンド中のケースです。
特に長期足でブレイクアウト後に、一旦下落している局面では、再度反転して大きく上昇する可能性があります。
トレードをする際は、長期足を見てからエントリーを検討するようにしましょう。
フィボナッチエクスパンションを引く際は始点と終点が正確か確認する
フィボナッチエクスパンションを使う場合は、始点と終点に誤りがないようによく確認しましょう。
始点と終点を間違えて引くと、表示されるフィボナッチ比率の価格帯がずれる可能性があります。
間違えて引いた場合は、フィボナッチエクスパンションをダブルクリックして引き直しましょう。
フィボナッチエクスパンションでトレードするならIronFXがおすすめ
フィボナッチエクスパンションを覚えれば、トレンドがどこまで伸びるのか予測を立てやすくなります。
フィボナッチ・リトレースメントとセットで覚えれば、押し目買いや戻り売りの直前からトレンド中までの利益を狙うことができます。
しかし、フィボナッチエクスパンションのみでトレードするのはおすすめできません。精度の高いトレードを行うためには、移動平均線やMACDなど他のテクニカル手法と併用したり、マルチタイムフレーム分析をしたりしましょう。
なお、フィボナッチエクスパンションを活用して多くの利益を得たい場合は、FX業者の選定も重要です。レバレッジが高いFX業者を利用すれば、少額から多くの利益を狙うことができます。
おすすめのFX業者は、海外FX業者のIronFXです。
IronFXなら最大1,000倍のレバレッジでトレードができるので、ボーナスキャンペーンを利用すれば、多くの利益を狙える可能性があります。
