イチオシ・クロスとは、投資・トレードにおいて重要なインジケーターのひとつです。
このインジケーターは、2つの移動平均線のクロス(交差)を利用し、買いと売りのタイミングを見分けます。
イチオシ・クロスは、複雑な計算を要しないため、初心者にも扱いやすく、また、長期トレンドの判断に有効な指標として広く用いられています。
この記事では、イチオシ・クロスの計算方法や使い方、そして、イチオシ・クロスとの組み合わせによるトレード手法などについて詳しく解説します。
イチオシ・クロスとは?
イチオシ・クロスは、2つの移動平均線のクロスに基づいて、買い/売りのシグナルを発信する指標のことです。
通常、長期の移動平均線と短期の移動平均線を使用します。
そのためクロスラインの求め方は、以下のようになります。
- 長期の移動平均線(通常は25日線)を計算します。
- 短期の移動平均線(通常は5日線)を計算します。
- 長期の移動平均線が短期の移動平均線を上回った場合、「イチオシ・クロス」と言い、買いのシグナルを発信します。
- 長期の移動平均線が短期の移動平均線を下回った場合、「クロス・アウト」と言い、売りのシグナルを発信します。
ただ、イチオシ・クロスとクロス・アウトのシグナルに依存するよりも、他の指標やインジケーターと組み合わせてトレードをすることで正確性がさらに上がります。
イチオシクロスと相性の良い相場
イチオシ・クロスは、2つの移動平均線を使ってトレンドを検出する手法です。通常は長期の移動平均線と短期の移動平均線を使ってトレンドを検出します。
長期の移動平均線が短期の移動平均線を上に抜いた時に、買いのシグナルが出ると考えられます。
それに対し、長期の移動平均線が短期の移動平均線を下に抜いた時に、売りのシグナルが出ると考えられます。
イチオシ・クロスは上記のようなトレンドを検出するために使われる手法ですが、トレンドが強い相場や長期トレンドが明確な相場で有効です。
ただし、トレンドが弱い時や相場の乱高下が多い時には正確なシグナルを出すことが難しくなります。
イチオシクロスと相性の良いインジケーター
イチオシ・クロスと相性の良いインジケーターは、トレーダーによって異なります。
しかし、多くのトレーダーが使用するインジケーターには、以下のようなものがあります
- ボリンジャーバンド
- 価格が常識の範囲内に収まっているかどうかを示します。
- RSI
- 価格がオーバーバイヤーまたはオーバーバルイシーの状態かどうかを示します。
- MACD
- トレンドの変化を示します。
- スロー・スタッキング
- 多時間帯にわたってトレンドを捕捉します。
- フィボナッチリトレースメント
- トレンドの中断点や反転点を捕捉します。
ただし、これらのインジケーターだけではなく、自分に合ったインジケーターを見つけることも大切です。
また、インジケーターを組み合わせることでより正確な判断ができることもあります。
イチオシ・クロスとボリンジャーバンドの組み合わせ方
ボリンジャーバンドとイチオシ・クロスを組み合わせる方法には、いくつかのアプローチがありますが、その一つの例を説明します。
- イチオシ・クロスのチャートにボリンジャーバンドを追加します。
- 中央線(20日SMA)が上記の上ボリンジャーバンドか下記の下ボリンジャーバンドにある場合、トレンドが上昇または下降していることを示します。
- 価格が上ボリンジャーバンドに達した場合、オーバーバイヤーの状態となり、買いポジションを撤回することを検討します。
- 価格が下ボリンジャーバンドに達した場合、オーバーバルイシーの状態となり、売りポジションを撤回することを検討します。
- 中央線が上方向に斜面を持っている場合は、長期的には上昇トレンドが続くと判断し、買いポジションを取ることを検討します。
- 中央線が下方向に斜面を持っている場合は、長期的には下落トレンドが続くと判断し、売りポジションを取ることを検討します。
これはあくまで一例であり、それぞれのトレーダーによってアプローチは異なりますので、自分に合った方法を見つけることが大切です。
イチオシ・クロスとRSIの組み合わせ方
RSI(Relative Strength Index)とイチオシ・クロスを組み合わせる方法には、いくつかのアプローチがありますが、その一つの例を説明します。
- イチオシ・クロスのチャートにRSIを追加します。
- RSIが70以上であれば、オーバーバイヤーの状態となり、買いポジションを撤回することを検討します。
- RSIが30以下であれば、オーバーバルイシーの状態となり、売りポジションを撤回することを検討します。
- RSIが50付近で交差する場合は、トレンドの変化を示します。上方向に交差する場合は、上昇トレンドが続くと判断し、買いポジションを取ることを検討します。下方向に交差する場合は、下落トレンドが続くと判断し、売りポジションを取ることを検討します。
- RSIがトレンドに沿って上昇または下降している場合、トレンドが強いことを示します。
しかし、これらのようなインジケーターはバブルなどの急相場の時には機能しないので、相場を見極めて使用することをおすすめします。
イチオシ・クロスとMACDの組み合わせ方
MACD(Moving Average Convergence Divergence)とイチオシ・クロスを組み合わせる方法には、いくつかのアプローチがありますが、その一つの例を説明します。
- イチオシ・クロスのチャートにMACDを追加します。
- MACDのシグナルラインが正のヒストグラムに交差した場合、買いのシグナルが出ていることを示します。
- MACDのシグナルラインが負のヒストグラムに交差した場合、売りのシグナルが出ていることを示します。
- MACDのラインが上昇トレンドを示す場合、買いのシグナルが出ていることを示します。
- MACDのラインが下降トレンドを示す場合、売りのシグナルが出ていることを示します。
- MACDのヒストグラムが0ラインより上に上昇している場合、買いのシグナルが出ていることを示します。
- MACDのヒストグラムが0ラインより下に下降している場合、売りのシグナルが出ていることを示します。
あくまで一例ですが、組み合わせには複数通りあります。なので多数の相場で試してみるべきです。
イチオシ・クロスとスロー・スタッキングの組み合わせ方
スロー・スタッキング (Slow Stochastic) とイチオシ・クロスを組み合わせる方法には、いくつかのアプローチがありますが、その一つの例を説明します。
- イチオシ・クロスのチャートにスロー・スタッキングを追加します。
- スロー・スタッキングが80以上であれば、オーバーバイヤーの状態となり、買いポジションを撤回することを検討します。
- スロー・スタッキングが20以下であれば、オーバーバルイシーの状態となり、売りポジションを撤回することを検討します。
- スロー・スタッキングのK線がD線を上回って交差した場合、買いのシグナルが出ていることを示します。
- スロー・スタッキングのK線がD線を下回って交差した場合、売りのシグナルが出ていることを示します。
- スロー・スタッキングのK線が上昇トレンドを示す場合、買いのシグナルが出ていることを示します。
- スロー・スタッキングのK線が下降トレンドを示す場合、売りのシグナルが出ていることを示します。
これだけではなく、組み合わせの手順をいくつか変更して複数のパターンで検証してみるのも効果的です。
イチオシ・クロス まとめ
イチオシ・クロスは、2つの移動平均線のクロスを使ったトレード手法です。
特に、長期トレンドを把握するために多用されます。
イチオシ・クロスは、特にスロー・スタッキングと組み合わせることで、より高い精度のシグナルを得ることができます。
ただし、イチオシ・クロスだけではトレードに使用することは推奨しません。他の指標やアナリシスと組み合わせることで、より正確なシグナルを得ることができます。
あくまで手段の一つということを忘れずに、指標やを使いながら背景を読み取りつつ、トレードに取り組みましょう!
