海外FXの取引スタイルの一つである長期保有。
長期保有はスワップポイントも狙え、常に相場を見なくてもいいというメリットがあります。
しかし、デメリットもあるので、デメリットやリスクを理解しておくことが重要です。
この記事では、海外FXの長期保有の基本やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
海外FXにおける長期保有とは?
海外FXの取引スタイルには、大きく「長期保有」と「短期売買」の2つがあります。
FXというと、常に相場をチェックして売買タイミングを計っているというイメージを持っている方も多いでしょう。
短期的に売買を繰り返して利益を積み重ねていくスタイルが短期売買です。
一方、長期間保有しつづける取引スタイルが長期保有になります。
通貨を長期間保有しつづけること
長期保有は、一般的に1度所有したポジションを数週間から数年間持ち続けることを言います。
保有している期間が長く、その間に頻繁に売買する必要がないため初心者にも取り組みやすいスタイルと言えるでしょう。
為替差益とスワップポイントで利益を出す
長期保有の場合、「為替差益」と「スワップポイント」の2つで利益を狙えます。
スワップポイントとは、「金利差調整分」とも呼ばれる通貨間の金利差のことです。
低い金利の通貨を売り、高い金利の通貨を買うと、その金利差分を保有している限り毎日得られます。
例えば、豪ドル/円のトレードで豪ドルの金利2.25%が円0.1%の場合、金利差である2.15%分を受け取れるのです。
1日で得られるスワップピントは数十円程度の低い金額ですが、長期保有すれば年間数万円になります。
長期保有するスタイルの場合、このスワップポイントも狙えるという魅力があるのです。
海外FXで長期保有するメリット
ここでは、海外FXで長期保有するメリットについて見ていきましょう。
メリットとしては、次の4つが挙げられます
・インカムゲインを得られる
・常に相場を見る必要はない
・スプレッドによるコストが低い
・追証がない
インカムゲインを得られる
インカムゲインとは、資産を保有することで得られる利益のことを言います。
海外FXの場合のインカムゲインは「スワップポイント」です。
スワップポイントは、保有するだけで得られ長期になれば利益も大きくなるというメリットがあります。
売買による利益を狙う方法は、チャートの分析など知識が必要になりますが、保有するだけなので初心者にも利益を出しやすいでしょう。
ただし、スワップポイントは得られるだけでなく支払いに転じる場合もあります。
定期的に各国の金利はチェックしておくことが大切です。
<h3>常に相場を見る必要はない</h3>
FXというと常にパソコンで相場をチェックしているイメージを持っている方が多いでしょう。
長期保有の場合は、短期的に売買しないので常に相場をチェックする必要がありません。
取引にかかる時間が必要ないので、仕事に忙しい人でも挑戦しやすいというメリットがあります。
スプレッドによるコストが低い
スプレッドとは、買値と売値の差のことを言い、実質的な取引コストにあたります。
例えば、米ドル円の取引で売値が115.000円で買値が115.002円なら、差額である0.002円がスプレッドです。
スプレッドは狭いほどコストが低く、広いほどコストが大きいとなるのです。
また、スプレッドは取引のたびに発生します。
1回のスプレッドはわずかでも、取引量や回数が増えればスプレッドのコストも大きくなるものです。
長期保有の場合、取引を頻繁にするわけではないためスプレッドも発生せずにコストを抑えられるというメリットがあります。
追証がない
長期保有していると、急な相場の変動で大きな含み損を抱えてしまう場合があります。
その場合、強制ロスカットになってしまう可能性があるのです。
しかし、海外FXは国内FXに比べて強制ロスカットされるまでの余地が大きいという特徴があります。
また、万が一、強制ロスカットされてしまった場合でも、海外FXにはゼロカットという制度があり、口座残高以上の損失は取引会社が補填してくれるのです。
国内FXにはゼロカット制度は導入されておらず、強制ロスカットで口座残高がマイナスになれば追証が発生します。
その点、追証が発生しない海外FXであれば、長期保有する際にメリットがあると言えるでしょう。
>内部リンク:海外FX ゼロカット・追証
海外FXで長期保有するデメリット
長期保有にはデメリットもあるので、理解しておくことが重要です。
デメリットとしては、以下の3つが考えられます。
・塩漬けで大きな損失になる可能性がある
・金利差によってはスワップポイントを支払う必要がある
・ロスカットされる可能性がある
塩漬けで大きな損失になる可能性がある
FXでの塩漬けとは、予想通りに動かずに含み損を抱えてしまっているにも関わらず、決済せずにポジションを保有し続けることを言います。
ちなみに、含み損があったとしても予想して戦略を持って保有している場合は、塩漬けとは言いません。
戦略もなく含み損を持ち続ける状態を塩漬けというのです。
塩漬けになる大きな原因が損切りできていないことにあります。
初心者によくあるのが、「今は損しているけどいつか価格が戻る」と根拠もなく考えているうちに、損切りのタイミングを逃して損失が大きくなるというケースです。
長期保有の場合、塩漬けになってしまう可能性があるので注意しなければなりません。
予め損切りのタイミングを決めておき、そのタイミングになったら必ず実行するように対策しておきましょう。
金利差によってはスワップポイントを支払う必要がある
長期保有は、スワップポイントを得られるというメリットがある反面、金利差によっては支払いに転じる可能性がある点には注意が必要です。
スワップポイントは、高金利の通貨を買い低金利の通貨を売った場合に得られますが、その反対の取引をしてしまうと支払うことになります。
また、情勢の急変などで金利が大きく変動し、スワップポイントの支払いが必要になるケースもあるので注意しましょう。
ロスカットされる可能性がある
長期保有の場合、為替変動が大きいという特徴があります。
さらに、レバレッジを掛けている場合、ロスカットされやすいので注意が必要です。
ただし、海外FXは国内FXよりもロスカットの基準が低いため、長期保有でもロスカットされない点はメリットともいえるでしょう。
海外FXの長期保有で利益を出すための3つのポイント
最後に、長期保有で利益を出すポイントとして、次の3つを解説します。
・損切りルールを設ける
・証拠金維持率を把握しておく
・スワップポイントを把握しておく
損切りルールを設ける
長期保有に限りませんが、FX取引する場合は損切りルールを設けておくことが大切です。
長期保有の場合は、「いつか上がるから待っておこう」と考える方もいるでしょう。
しかし、含み損を抱えたまま上がるのを待つのはおすすめできません。
戦略や根拠もなく上がるだろうと考えていると、損切りのタイミングを失い損失が大きくなる可能性があります。
また、一度損切りして別の取引に移るほうが投資効率も良いと言えるでしょう。
長期保有であっても損切りのルールを決め、必ず実行することが大切です。
証拠金維持率を把握しておく
証拠金維持率が一定基準を下回ると、強制ロスカットされてしまいます。
強制ロスカットされてしまうと、資金を大きく失うことになります。
特に、長期保有で為替変動が大きくロスカットされやすいというデメリットがあるので、証拠金維持率は常に把握しておくことが重要です。
そのうえで、必要に応じて証拠金の追加やポジションの決済をして証拠金維持率が下がらないように対策しましょう。
スワップポイントを把握しておく
スワップポイントは得ることもできますが、支払いが必要になる場合もあります。
また、スワップポイントはFX業者や通貨ペアによって異なるものです。
事前に、どれくらいのスワップポイントを得られるのかをシミュレーションして把握するようにしましょう。
まとめ
海外FXで長期保有するメリット・デメリットをお伝えしました。
長期保有であれば、常に相場をチェックする必要もなく、スワップポイントを得られるなどのメリットがあります。
しかし、塩漬けやロスカットのリスクがあるなどのデメリットもあるものです。
長期保有のメリット・デメリットを理解したうえで、自分の投資スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
