最近ニュースや新聞などで「日本円が1ドル140円を突破して大きな円安が進んでいます!」というような内容を見かけませんでしたか?
FXを知らなくても一度は聞いたことがある言葉だと思います。
FXはこの「円安」「円高」という言葉を知ってからスタートラインに立てます。
そこで今回は円安と円高の説明以外にもFXに絡めた用語解説をしていきます。
[用語解説]円安・円高とは?
円安とは円の価値が下がること
円安とは、日本円が他国通貨に対して弱くなったことを指します。つまり円安のときに日本円を持っている人は、他国通貨を買うとなるとより多くの日本円を用意しなければなりません。
例
日本円が1ドル120円の時に1万円分のドルを購入する場合
10,000÷120=83.333…
日本円が1ドル150円の円安の時に1万円分のドルを購入する場合
10,000÷150=66.666…
このように円安は、日本経済が比較的弱いときや、日本に資金が流出したときによく見られます。そのため円安は、日本経済が不振であることを示す指標とされています。
最近の1ドル150円を突破したというのも円安が進んだということです。
一方で円安は、海外企業が日本での収益を円に換算する際に、換算レートが良いことを意味します。
そのため円安によって、海外企業が日本での収益を上げることが可能です。
円高とは円の価値が高くなること
円高とは、日本円が他国通貨に対して価格的に強くなったことを指します。
つまり、日本円を持っている人は円高のときには、他国通貨をより多く買うことができるようになります。
例
日本円が1ドル120円の時に1万円分のドルを購入する場合
10,000÷120=83.333…
日本円が1ドル100円の円高の時に1万円分のドルを購入する場合
10,000÷100=100
円高は、日本経済が比較的強いときや、日本に資金が流入したときによく見られます。
そのため円高は、日本経済が好調であることを示す指標とされています。
一方で、円高は、日本企業が海外での収益を円に換算する際に、換算レートが悪いことを意味します。
円安とは真逆の環境なることで円高によって、日本企業が海外での収益を上げることが難しくなることがあります。
円安・円高が起こると何が起きるのか?
主に海外に進出している日本企業や、逆に日本に進出している海外企業に影響が出てきます。
そのうえ、車や電子部品など実物の輸出や輸入が絡んでくるともっと影響が大きくなります。
円安の場合【海外企業編】
例えば、海外で商品を販売する企業があるとします。
さらにこの企業は、海外で販売する商品を日本円で購入しています。
日本円が海外の通貨に対して安くなる(円安)と、海外で販売する商品を安く購入できるため、利益が増えることが期待されます。
円安の状態では、海外企業は売り上げが増加する可能性が高いわけです。
一方で、日本円が海外の通貨に対して高くなる(円高)と、海外で販売する商品を高く購入することになるため、利益が減少し、企業の売り上げが減少することが期待されます。
円安の場合【日本企業編】
また、日本企業が海外で製造している場合も同様です。
海外で製造することで、日本円を使って外貨を購入することになります。
そのため日本円が外貨に対して安くなる(円安)と、外貨を安く購入できるため、利益が増加し企業の売り上げが増加することが期待されます。
逆に日本円が外貨に対して高くなる(円高)と、外貨を高く購入することになるため、利益が減少し、企業の売り上げが減少することが懸念されます。
円高の場合【海外企業編】
円高の状態では外国通貨を日本円に換えることができるので、外貨換算での利益が減少することが期待されます。
例えば、海外で商品を販売する企業があるとします。
しかしこの企業は、海外で販売する商品を日本円で購入しています。
そのため、日本円が海外の通貨に対して高くなる(円高)と、海外で販売する商品を高く購入することになるため、利益が減少し、企業の売り上げが減少することが期待されます。
円高の場合【日本企業編】
日本企業が海外で製造している場合も考えます。
海外で製造することで、日本円を使って外貨を購入することになります。
そのため日本円が外貨に対して高くなる(円高)と、外貨を高く購入することになるため、利益が減少し、企業の売り上げが減少することが期待されます。
円安・円高はどっちが好都合?3つの観点から見た円安・円高を比較
一般人にとっての円安・円高
日本に住む一般人にとっては、円高の方が都合が良いとされています。
例えば海外旅行をする場合、円高が進むと海外旅行が安くなることが期待されます。
一方で海外から日本へ来た外国人にとっては、円安の状態だと日本での旅行や買い物が安くなることが期待されます。
日本で外国製品を購入する予定がある場合は円高の方が都合が良いです。
例えば日本に売っているiphoneなどのApple製品は、円安によって価格が高騰します。
逆に円高の時は価格が安くなるので、一般人にとっては円高が進んだ方が都合がいいことの方がほとんどです。
国内企業にとっての円安・円高
国内企業にとっては円安の方が都合が良いでしょう。
もし円高が起きると、国内で製造している企業だとしたら海外からの安い輸入品よりも安く製造しなければいけないので価格競争が起きてしまいます。
もしもその価格競争に負ければその企業は大ダメージです。
よって国内企業からしたら円安の方が都合が良いでしょう。
輸入業者にとっての円安・円高
これは先ほどとは逆の立場に逆転します。
円安が起きると、輸入品を高く購入しなければならないので国内生産の企業には価格競争で勝てなくなります。
逆に円高がくれば輸入品を安く仕入れることができるので、輸入企業にとっては円高が都合が良いです。
日本全体で都合が良いのはどっち?
先程のように場合で分けたら円高の方が都合いいんじゃないか?と思った方はいるでしょう。
しかし、日本は輸出大国です。質の良い製品を輸出することで他の国との情勢を保っています。
よって日本全体で見た時に円安の方が、都合がいいのがわかります。
円安・円高で投資家はどう動く?
投資家は円安や円高によって日本円に対する投資信念が変化することによって投資策を変えることがあります。
例えば、円高の状態では、日本株や日本国債など、日本円に対する投資が優遇されることが期待されます。そのため、投資家は、円高の状態では、日本円に対する投資を増やすことがあるでしょう。
一方で、円安の状態では、日本円が海外の通貨に対して高くなるため、海外株や海外国債など、海外の通貨に対する投資が優遇されることが期待されます。
そのため、投資家は円安の状態で、海外の通貨に対する投資を増やすことがあるでしょう。
ただし、投資家の動向は常に変化しており、単に円安や円高のみを見て投資を行うことは推奨されません。
複数の要素を考慮した上で、自分に合った投資策略を決めることが大切です。
円安や円高の時にFXで考えること
投資家の目線になる前に、まずは円安、円高の時にFXトレーダーが考えていることを紹介します。
自分の保有しているポジションを確認する
自分が投資する通貨が円安や円高の状態にあるかどうかを確認する。
円安や円高の状態では、投資する通貨が比較的安くなることが期待されるため、自分が投資したい通貨が円安や円高の状態にある場合には、投資することが検討されるでしょう。
円安や円高の状態が続くかどうかを見極める
FXは差金で利益が決まるので、結局は円安や円高の状態が続くかどうかを見極めなければいけません。
円安や円高の状態が長期的に続くかどうかは、投資に大きな影響を与えることがあるため、この点を確認することが重要です。
投資するか買い待つかを決める
自分が投資する通貨を円安や円高の状態で買い持つか、買い持たずに投資するかを決める。
円安や円高の状態では、投資する通貨が安くなることが期待されます。
しかし通貨の価値は常に変動しているため、自分が投資する通貨を円安や円高の状態で買い持つことも、買い持たずに投資することも検討する必要があります。
他の要素も考慮する
円安や円高の状態は、投資に大きな影響を与える要素のひとつですが、他にも様々な要素があるため、円安や円高の状態だけで投資を行うことは推奨されません。
機関投資家の動向や、政府の動きなど複数の要素を絡めて考えることが大事だと考えられます。
円安・円高 まとめ
今回は円安・円高についてまとめました。
今回はFXにも絡めて円安・円高について解説しました。
円安と円高はさまざまな観点で人に影響を与えています。
なので投資をする際にも結局は複数の視点を持つことが大事だと言えるでしょう。
円安・円高を知った機会にFXを始めてみてはいかがですか?
