トランプ大統領がクック理事を解任して以来、金価格は上昇したように見えます。本日のレポートでは、パウエルFRB議長の最近の発言、クック理事の解任、米国のインフレ指標について取り上げ、最後にXAUUSDの日足チャートのテクニカル分析で締めくくります。 トランプ大統領がクック理事を解任 米政府とFRBの間の緊張は一段と高まっています。特に、トランプ大統領は昨日、FRB理事のクック氏を解任しました。具体的には、解任通知には次のように記されています。 「合衆国憲法第2条および1913年連邦準備法(改正済み)に基づく私の権限により、あなたを直ちに連邦準備制度理事会の理事職から解任します」 この決定は、クック理事が住宅ローン申請を虚偽記載したとの疑惑を受けて下されたものであり、FRBの111年の歴史の中で初めて理事が解任された事例となります。 これに対し、クック理事は「トランプ大統領は私を『理由あり』として解任しようとしたが、法律上そのような理由は存在せず、彼にその権限はない」と述べており、FRBの独立性をめぐって長期的な法廷闘争につながる可能性を示唆しました。疑惑の真偽にかかわらず、ホワイトハウスが先制的に理事を解任した判断は、FRBの独立性に疑問を投げかけます。その結果、安全資産である金価格を支える可能性があります。 FRBのハト派転換か? パウエル議長は金曜日にジャクソンホール・シンポジウムで講演を行い、その発言はFRBの金融政策アプローチの転換を示すものと見られました。特に以下の発言が注目されます。 「それにもかかわらず、政策が引き締め領域にある中で、基本的な見通しやリスクのバランスの変化は、我々の政策スタンスを調整する正当性を与える可能性がある」…